知っておくべきストーマケアの手順について

大腸癌をはじめとした消化器系の疾患により、排泄が難しくなった場合には、腹部にストーマと呼ばれる排泄口を作ります。
しかし、人工的に作るストーマは、ケアが必要になるので生活に大きなストレスを感じるといわれています。
一般的には、ストーマを有する人はパウチと呼ばれる装具を利用するため、その交換は自身で行うか、看護師が行いますが、平成23年を機に、介護士もストーマケアに携わるようになりました。
したがって、介護士もどのようなケアを行うべきかを、知っておく必要があります。
そこで、ここではストーマケアについて紹介します。

まず、ストーマケアは、事前準備として手袋や石鹸などの道具を準備しておかなくてはなりません。
また、感染予防の観点から、マスクや手袋の装着は必須です。
そして、準備ができたら、皮膚にダメージを与えないように、やさしくパウチを剥がしていきます。
パウチを勢いよく剥がしてしまうと、排泄口の肌荒れにつながるため、指で皮膚を押さえながらゆっくりと剥がしていくことがポイントです。

それから、パウチを剥がした後は、ストーマ周辺の皮膚を洗浄します。
ストーマ周辺の皮膚は非常にデリケートな状態なので、ここでも作業は丁寧に行いましょう。
石鹸をしっかりと泡立ててやさしく洗い、ぬるま湯でしっかりと洗い流した後に、水分を拭き取ります。
また、その際に肌に湿疹ができていないか、ふやけて白くなっていないかなど、肌に異変がないかをしっかりとチェックしてください。
そして最後に、肌の状態に合わせた皮膚保護剤をストーマの周りに貼り付けて、パウチを装着します。

これらの作業は、慣れてしまえばそれほど難しくはありませんが、知識がないとハードルが高く感じるため、介護職は講習会などに積極的に参加しておくほうがいいでしょう。